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ウェルニッケ・コルサコフ症候群



アルコール依存症治療ガイドライン

アルコール依存症の治療ガイドラインの解説シリーズ。

引き続き、世界生物学的精神医学会のガイドラインに沿って解説を続けています。

アルコールを飲むとビタミンB1(チアミン)が消費されます。

ですから、大量にアルコールを飲むことが続くとビタミンB1欠乏症になることがあります。

これで怖いのは脳への影響です。

ビタミンB1が欠乏すると、認知症の症状が出たり、うまく歩けないといった症状が出たりします。

このように、ビタミンB1が欠乏して脳にダメージが及ぶものをウェルニッケ脳症と言います。

すぐに治療すれば治る可能性はあるのですが、治療が遅れると脳のダメージが完全には回復しません。

そのまま認知症になってしまいます。

このように回復しない場合をコルサコフ症候群と言います。

アルコール性認知症の一種です。

この、ウェルニッケ脳症とコルサコフ症候群は、一連の流れでつながっている病気なので、まとめて、ウェルニッケ・コルサコフ症候群とも言われます。

治療は、とにかく不足したビタミンB1の大量投与です。

普通の食事に入っている量では間に合わず、注射や点滴で大量にビタミンB1を投与する必要があります。

急がないと手遅れになり、回復しなくなってしまいます。

ですから、この病気を発見したら、すぐに治療を開始しなければなりません。

ビタミンB1をどのくらいの量、どのくらいの期間、投与すべきなのかは、はっきりと研究されていません。

イギリスのガイドラインでは、少なくとも1日に500mgを3-5日間は投与するよう書かれています。

ただ、日本だと医療保険の関係で、1日に100mgまでしか投与できない場合もあります。

ただ、普通だと1日に必要な量は1mgちょいなので、100mgでも大量に投与していることにはなりますね。

お酒を飲む方は、お酒を控えられないなら、ビタミンB1をしっかり摂取する必要があります。

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