アルコール依存症の治療目標(断酒と節酒)
世界生物学的精神医学会のガイドラインに沿って、アルコール依存症の治療を解説しています。
今回は、アルコール依存症の治療目標について説明します。
アルコール依存症の方は、一口お酒を飲むと止められなくなり、たくさんお酒を飲んでしまうことが多いです。
ですから、従来は断酒といって、完全にお酒を断つ、つまり、ただの一滴もお酒を飲まないことが、アルコール依存症の治療目標でした。
しかし、なかなかお酒を完全に断つことができる人は少なく、また、何年もお酒を飲まない状態が続いても、ふとしたきっかけで再発してしまい大酒を飲んでしまうケースは多く、なかなかお酒を完全に断つことは難しいという事実があります。
このため、完全にお酒を断つ断酒ではなく、お酒を飲む量を減らす節酒の方に注目が集まっています。
優先順位としては断酒を目指す方が良いけれども、難しい場合は、日々飲むお酒を少しでも減らすことだけでも目指そう、という流れです。
やはり、高過ぎる目標を設定してもうまくいかないこともありますし、目標を下げて節酒を目指すという方法も現実的なのかもしれません。
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