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スボレキサント(ベルソムラ)



睡眠薬のガイドラインを解説

スボレキサントは、睡眠を維持する、安定させる薬です。

脳にはオレキシンといって、目を覚ましたり、食欲のコントロールをする物質があります。

スボレキサントは、このオレキシン(正確に言うと、オレキシン受容体)をブロックする薬です。

目を覚ます作用のあるオレキシンをブロックすることで、目を覚まさないようにするわけです。

アメリカのガイドラインでは、スボレキサントは睡眠の途中で起きる中途覚醒を治療する作用があるとしています。

実際の睡眠薬の効果を調べる研究では、スボレキサントを投与する人たちと、プラセボ(偽薬とも言いますが、効果のない偽物の薬です)を投与した人たちとを比べます。

プラセボでも心理的な効果などで脳に作用して、少しだけ効果が出ます。ただ、これだけではおまじないのようなもの。このプラセボよりも効果があって初めて薬としての効果が認められます。

それでは、実際の研究結果を見てみましょう。

脳波などを測定して睡眠状態を検査するPSGという機械を使うと、スボレキサント10mgで22分、20mgで50分ほどプラセボよりも睡眠時間を延ばしたという報告があります。ただ、自覚的には睡眠時間が延びたと感じないようですね。

また、寝つきを良くする作用は弱いようで、10mgだと寝つきを良くする効果は認められないようです。ただ、20mgまで増やせば、プラセボよりも22分ほど寝つくのを早めたという結果があり、増やせば寝つきを良くする効果もあるのではと考えられます。

しかし、少なくとも10mgには寝つきを良くする効果はほとんどありませんから、睡眠導入剤というよりも、途中で起きるのを改善する薬、睡眠を維持する薬という風に考えた方が良いですね。

また、副作用はかなり少なく、統計的には明らかな副作用は認められないようで、次の日に残ることもないようです。

また、睡眠薬ではよく依存性が問題になります。

依存性が強いと、なかなかやめられないですし、急にやめると離脱症状(眠れない、体が震えるなど)が出て辛い思いをします。

しかし、このスボレキサントは依存性が低く、やめても離脱症状はほとんど出ないようです。

スボレキサントの最大のメリットは、このように副作用が少ないことでしょう。

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