睡眠アプリはメンタルヘルスを改善する
- Tomoyuki Saito
- 2017年10月17日
- 読了時間: 3分

最近はスマホのアプリの中でメンタルヘルスに関わるものが出てきました。やはり、こうした研究は海外の方が強いのですが、少しずつ日本でも開発が進んできている印象です。
海外でよくあるメンタルヘルスのアプリが、認知行動療法のアプリです。認知行動療法とは、物事の捉え方を変え、自分の行動を変えていくことで、気持ちの持っていき方を変えるような手法です。簡単に言えば、ネガティブな考え方をポジティブに変えていく感じです。すでに精神科の治療にも使われており、その有効性は科学的にも証明されています。この認知行動療法は、色々なやり方があります。基本は、カウンセラーと一対一で会話しながら進めていく形式です。また、自分一人でガイドの文書を読みながらノートに自分の考え方を書き込み、ガイドに従って修正していくというワークブックの形式もあります。これは、いわばメンタルヘルスの参考書みたいな感じです。本でも可能な方法ですから、当然スマホやパソコンでも可能なわけで、アプリも出ているのです。
この認知行動療法ですが、睡眠の改善に特化したものがあります。これは以前、睡眠薬のガイドラインの解説でも触れました。睡眠薬を使うよりも、まずは認知行動療法が睡眠改善の方法としておすすめになっています。
海外では睡眠用の認知行動療法のアプリがあります。「睡眠用の認知行動療法のアプリ」では長いので、ここでは睡眠アプリと略して呼ぶことにします。今回はその睡眠アプリの効果を調べたイギリスの研究を紹介します。
The effects of improving sleep on mental health (OASIS): a randomised controlled trial with mediation analysis. Lancet Psychiatry. 2017(論文タイトル、雑誌名、発表年)
さまざまな精神疾患で眠れなくなる、不眠という症状が出ます。逆に睡眠が改善すると、ほかの精神症状も良くなったりします。この研究では、睡眠の改善が他の精神症状も良くするかどうかを調べたもので、3755人という大勢の人が被検者として参加しました。参加者は、不眠に悩むイギリスの大学生たちです。この生徒たちをランダムに、睡眠アプリを使う群と、従来通りのケアをする群に分けます。すると、1891人対1864人という分け方になったそうです。ほぼ同数ですね。ちなみに、睡眠アプリはオクスフォード大学が中心になって作った”sleepio”というアプリのようです。気になる方は"sleepio"で検索してみて下さい。
さてこの睡眠アプリの結果ですが、10週間後には睡眠アプリの生徒たちの不眠は、従来通りのケアを行った人たちよりも改善していました。また、同時に妄想や幻覚といった症状まで改善していたということです。統計的に解析しても、明らかに妄想や幻覚まで改善しているという結果でした。つまり、睡眠の改善により他の精神症状まで良くなったものと思われます。睡眠アプリがこれだけの効果を発揮するとは、正直少し驚きです。しかも、この睡眠アプリのデータは大人数でのデータであり、統計的にもしっかりとした研究デザインであるランダム化比較試験という手法を取って調べているので、データの信憑性は高そうです。これなら睡眠アプリは確かに効果があると言って良いと思います。
これはイギリスの研究ですが、翻訳して日本でも出ると良いですね。もしくは、日本で独自に開発した睡眠アプリの登場にも期待したいです。
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