オピオイド拮抗薬
アルコール依存症の治療ガイドライン解説シリーズ。今回は、オピオイド拮抗薬について解説します。
日本では承認されていませんが、世界的には、オピオイド拮抗薬がアルコール依存症の治療に使われています。
オピオイドとは、アヘンやヘロインなどの麻薬のことで、医療用麻薬にはモルヒネがあります。
モルヒネは強力な痛み止めとして日本でも使われていますね。
こうしたオピオイドは脳の中のオピオイド受容体という部分に作用するのですが、アルコールはオピオイド受容体にも影響を与えるようです。
そして、このオピオイド受容体をブロックする薬を使うと、アルコールをすごく飲みたい状態(渇望)を抑えられることが分かっています。
こうした薬はオピオイド拮抗薬と呼ばれ、ナルトレキソン、ナルメフェンなどがあります。
海外ではオピオイド拮抗薬がアルコール依存症の治療に使われており、断酒する期間を伸ばしたり、飲酒する頻度を減らすといったデータもそろい、アルコール依存症の治療において有効性があるという科学的エビデンスは確立しています。
ただ、前述したように、現在のところ日本では承認されていません。
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