ニューロフィードバックでうつ病を治す
- Tomoyuki Saito
- 2017年8月29日
- 読了時間: 3分

頭の中、心の中で起こっていることは目に見えません。
人の感情は表情や雰囲気で推し量ることはできますが、しっかりと見て確認するものではないですよね。
そして、自分の感情でもそれは同じことです。
自分がどんな感情になっているのか、時に分からなくなることもあります。分かりにくいとは、扱いにくいということでもあります。
感情をコントロールするのは、簡単ではありません。
それならば、感情を見えるようにすればいい、という発想があっても良いですよね。
ニューロフィードバックというものがありまして、これは頭のなかや感情の変化を機械を使ってリアルタイムに見えるようにし、その上でコントロールしていく方法になります。
脳波計を使うのが多いですが、最近ではMRIなどの画像検査も使われるようになっています。
これを、うつ病の治療に応用する研究があり、今日はそれを紹介します。
うつ病になると、悲観的になります。
過去の楽しいことを思い出しても楽しくなれません。
言い換えると、楽しいことに反応する力が失われるわけです。
fMRIという機械を使って脳の中を見てみると、この現象がよく分かります。
うつ病になると、脳の扁桃体という感情をコントロールする部分が、楽しいことに反応しなくなるのです。
過去の楽しいことを思い出すと、普通は扁桃体が活発に動き出すのですが、うつ病になるとその反応が弱くなります。
そこで、この研究では、扁桃体がもっと楽しいことに反応するように意識して、脳の活動をコントロールするというやり方でうつ病の治療を行いました。
fMRIという機械を使い、自分の扁桃体の活動をリアルタイムで見ながら、楽しい思い出に反応できるように自分の脳をコントロールするトレーニング、つまりニューロフィードバックを行います。
すると、すると1週間後にうつ病の症状が改善したという結果が得られました。
この研究では、扁桃体の動きを見ながらトレーニングをした人たちの他に、感情とは関係ない他の部分を見ながらトレーニングをした人たちもいます。
この二つのグループを比べると、扁桃体を見ながらトレーニングした人たちでは、19人中12人でうつ病のスコアが改善(スコアが半分以下になった場合を指します)したのですが、もう一方のグループでは17人中2人しかうつ病のスコアが改善しなかったという結果でした。
劇的に違う結果です。
この研究は、二重盲検無作為化試験という手法で行われており、とにかくバイアスが入らないように調整した研究ですから、かなりデータの信頼性が高いものになります。
やはり、自分の頭の中、感情の動きを見ながらトレーニングすると、感情のコントロールがしやすくなるのかもしれません。
これだけしっかりとしたデータが出ると、実際の臨床に応用されるかもしれませんね。
なお、うつ病のスタンダートな治療については、こちらの記事で学会のガイドラインを紹介しているので、ご覧ください。
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