キノコが認知症を防ぐ
年を取りたくない、ずっと若いままでいたいと思う人は多いと思います。
子供の時は年齢が上がるにつれて成長した気分になり喜んでいたかもしれませんが、大人になるとその喜びは少しずつ薄れ、中年以降は年齢が上がることに不安を感じる。
誰でも思うところです。
老化を止めたいと思う人も多いはず。
もちろん、老化を完全に止めることはできませんが、遅らせることはできます。
アンチエイジングなどと呼ばれますが、今回は脳のアンチエイジングの話をしたいと思います。
脳の老化というと、まず思い浮かぶのが認知症です。
高齢になると誰でも忘れっぽくなったり、考える力が衰えたりしますが、生きていくのに困るレベルまで記憶力や思考能力が衰えると認知症という水準に至ります。
こうなると介護が必要になりますので、周囲の家族などにも負担をかけることになります。
できれば認知症になることは避けたいと思います。
そこで、認知症になりにくくなる方法はないかと世界中で研究されていますが、そんな中、キノコを食べると認知症になりにくくなるという研究報告が出てきました。
日本での調査です。
Mushroom Consumption and Incident Dementia in Elderly Japanese: The Ohsaki Cohort 2006 Study. J Am Geriatr Soc. 2017(論文タイトル、雑誌名、発表年)
今までにもキノコに認知症の予防効果があるのではないかと言われていましたが、ちゃんとした統計は少なかったようです。
大規模な調査が行われました。
調査対象は65歳以上の方で、13230人がこの調査に参加されています。
この調査では、どのくらいの頻度でキノコを食べているかが調べられていて、認知症になるかどうかが追跡調査されました。
5.7年の間に認知症になった方は8.7%いたそうです。
そして、キノコと認知症になる確率、リスクの関係もデータが上がりました。
キノコを1週間に1回も食べない人と比べて、1週間に1、2回はキノコを食べているという人の方が、5%認知症になるリスクが低かったそうです。
さらに、週に3回以上食べている人は、19%も認知症になるリスクが下がったということです。
この19%という数字は統計学的に見ても意味のある数字でした。
このように、キノコをよく食べる方が認知症になりにくいという傾向は、他の認知症になりやすくなる要因を計算の上で排除しても確かだったということで、偶然とか調査上の誤りなんかではなさそうです。
どのくらいの量を食べれば良いのかまでは分かりませんが、認知症になりたくない人は、キノコが入った料理を週に3回以上食べると良いかもしれません。
本当にキノコが認知症を防ぐのであれば、歓迎すべき話題ですね。
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