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自律神経失調症と糖尿病


自律神経とは内臓や血圧を調整する神経のことです。自律神経が障害されることを、俗に自律神経失調症と言いますが、正式には自律神経症状や自律神経障害などと言うことが多いです。というのも、自律神経の不具合はあくまで症状であり、何らかの病気の結果として生じるものです。つまり、本当の原因は自律神経失調症という病気ではなく、原因となる病気が他にあるわけです。自律神経失調症は精神疾患や精神的ストレスとの関わりが有名ですが、その他にも自律神経の症状が出る病気はあります。今回は、その一つである糖尿病について解説します。

糖尿病という病名は誰でも聞いたことがあると思います。血糖値、つまり血液中の糖分が高くなり、尿にも糖分が出てきたりします。免疫の異常で膵臓が障害されてインスリンという血糖値を下げるホルモンが出なくなる1型糖尿病と、生活習慣や肥満などが影響する2型糖尿病がありますが、どちらの糖尿病でも神経が障害されることがあります。

手足の先にある、末梢神経が障害されると手足の感覚が麻痺したり、手足が痺れたりします。そして、自律神経が障害されると、腸の動きが悪くなって便秘になったり、膀胱の神経が弱って尿意を感じにくくなったりします。また、自律神経による血圧の調整ができなくなると、立ちくらみが出ます。また、勃起不全という症状も出ます。これは陰部にある自律神経が障害されるためです。体のあちこちに向かう自律神経が麻痺しますので、体のあちこちに症状が出る形になりますね。精神科でいう自律神経の症状というと、どちらかというと自律神経か過剰に活発に働き過ぎてることが多いのですが、糖尿病による自律神経の障害ですと、自律神経の活動が低下している状態になります。単に自律神経失調症と言っても、自律神経が活発な場合もあれば、活動が低下した場合もあるのです。自律神経失調症というだけでは、どっちだかよくわからないのも、この名前の欠点でしょう。

ちなみに、この糖尿病という病気は、実は精神疾患と関わりが深いです。精神的なストレスや不眠などにより血糖値が上がることはよく知られています。ストレスホルモンが血糖値を上げるのが、メカニズムとして考えられています。また、精神疾患になると食生活が荒れたり、運動不足になることも多く、こうした生活習慣により糖尿病になったり、すでに糖尿病の人であれば糖尿病が悪化したりします。統計的に見ても、精神疾患になると糖尿病になる割合は高くなります。生活習慣からくる糖尿病なので、2型の方ですね。病は気からと言いますが、精神疾患は様々な体の病気に繋がってしまうのです。

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