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自律神経失調症とうつ病

  • 執筆者の写真: Tomoyuki Saito
    Tomoyuki Saito
  • 2017年10月7日
  • 読了時間: 3分

自律神経失調症は正式な病名ではなく、原因となる病気は他にあります。その中に精神疾患が含まれます。精神疾患と一言で言っても様々なものがありますが、うつ病は代表的な精神疾患の一つです。うつ病は大うつ病とも言いますが、どちらかというと重症度の高い精神疾患で、色々な症状が出ます。気持ちが落ち込む、悲しい、辛いなどといった感情は抑うつ気分と言いますが、抑うつ気分はうつ病の中核的な症状です。また、何に対しても興味がなくなる、どうでもよくなる、楽しいことも喜びも全くといっていいほど無いような症状、興味や喜びの喪失だとかアンヘドニアなどと言いますが、これもうつ病の中核的な症状です。この他にも、食欲がなくなったり、眠れなくなったり、頭が回らなくなって、優柔不断になったり、仕事の能率が下がったりと本当に色々な症状があります。

こうした中で、うつ病は体の異変も生じることが知られています。うつ病になると頭が痛くなったり、胃が痛くなったりと、体のあちこちに痛みという症状が出るのは有名な話です。うつ病が良くなるとこの痛みの症状も良くなりますが、最近はセロトニンとノルアドレナリンの両方を増やすような薬、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬という抗うつ薬の一種が痛みに直接効くので、実際に使われたりします。

こうしたうつ病体の症状の中で、自律神経失調症、つまりは自律神経症状が出ることもあります。特にうつ病の診断基準に含まれたりはしていませんが、動悸がしたり、冷汗が出たり、お腹を下したり、吐き気が出たりといった自律神経の症状がよく見られます。

特に気をつけないといけない自律神経の症状はパニック発作です。パニック発作はパニック障害の症状と同じで、急に動悸、息苦しさなどが出てきて、強い恐怖感を抱くような発作的な症状です。うつ病とパニック発作が同時に出てきた場合、自殺率が高まることが知られていますので、危険なサインになります。この場合はしっかりとした治療が必要になります。自殺する可能性が極めて高い場合、例えば具体的に自殺の計画を立てている場合なんかは本当に危ないので、本人の命を守るために入院するという選択肢も考えなければなりません。さらに重症度の高い場合は、修正型電気けいれん療法という頭に電気を流してうつ病を治療する方法も検討します。電気けいれん療法は有効性が高く、またすぐにうつ症状を改善する効果があるため、いまにも自殺しそうな方には優先的に行ったりするのです。うつ病の治療では、このようにどうやって自殺を防ぐかが大事なテーマになります。自殺を防ぐためには、自殺の兆候に気づかなければなりません。この自殺の兆候の一つに、自律神経症状であるパニック発作が挙げられるのです。このように自律神経の症状は、うつ病の重症度や治療法を決めるための大事なファクターになりますから、医療者は患者さんの自律神経症状を把握しないといけません。逆に、患者さん側としては、自分の自律神経症状を医療者にしっかりと伝えることが大事になります。

 
 
 

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