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うつ病ガイドライン徹底解説26 子供のうつ病の治療



うつ病ガイドライン徹底解説

さて、前回は子供のうつ病の特徴を説明しましたが、今回は治療の話です。

子供のうつ病では、薬の効果が出にくいと言われています。

もしかすると、大人のうつ病と生物学的にメカニズムが違うのかもしれません。

子供のうつ病に対して、抗うつ薬を投与しても投与しなくても、治療成績に差がないという報告が多くあります。

ただし、SSRIという種類で効果があったとする報告もあります。

ですから、使うならSSRIなのですが、これには問題もあります。

うつ病の子供にSSRIを投与すると、自殺しようとしたり、自分を傷つけたりすることが増えるというデータがあるからです。

以前にも説明した通り、抗うつ薬にはアクチベーションといって、衝動的にさせてしまう副作用がありますから、それが強く出るのかもしれません。

子供の場合、まだ自制心が育っていないので、衝動的な行動には注意が必要です。

また、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬なども衝動性を高める副作用がありますので、子供にはあまり出さない方が良いでしょう。

また、精神療法、心理カウンセリングなども有効性があることが分かっていて、大人のうつ病と同じで、認知行動療法や対人関係療法などが有効ですし、心理教育といって、うつ病やストレスについて詳しく説明するだけでも効果があります。

こうした精神療法を行う際には、家庭や学校などの環境についても考えながら、時に助言や介入を行なっていくことも必要です。

やはり、子供はまだ自立しておらず、周囲の環境の影響を受けやすい存在なのです。

子供のうつ病の治療を総括すると、薬の治療はリスクが高く、効果も出にくいので、精神療法による治療を積極的に考えた方が良いのかもしれません。

さて、次回はうつ病の不眠について解説していきます。

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