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うつ病ガイドライン徹底解説13 うつ病が良くなった後に



うつ病ガイドライン徹底解説

今回は色々な治療を行なった結果、うつ病が良くなった、その後の話をしたいと思います。

うつ病とは再発しやすい病気でもあるので、再発防止対策が重要になります。

その一つとして、薬による再発予防は十分に科学的な根拠があります。

抗うつ薬(うつ病の薬)で治療して、うつ病が改善した後も、数ヶ月は同じ用量で内服を続けた方が、うつ病は再発しにくくなるのです。

また、すでにうつ病が再発した人は、今後も再発しやすいので、さらに重点的な再発予防が必要になります。

うつ病学会のガイドラインでは、アメリカのガイドラインを引用し、「再発例では2 年以上にわたる抗うつ薬の維持療法 が強く勧められる」と書いています。

また、再発予防対策は薬を使う方法以外もあります。

精神療法、心理カウンセリングなどです。

代表的なものは、認知行動療法という、物事の捉え方、考え方を修正していき、気持ちを安定させていく方法と、対人関係療法といって、人間関係がどのように自分の心に影響しているのかを分析し、適切な対処を考えるという方法です。

こうした精神療法を、薬による再発予防と組み合わせることで、より再発予防効果を高めることもできます。

さて、再発予防の次は、社会復帰について話したいと思います。

うつ病により仕事や家事を休んでしまった方が元の生活を取り戻すには、再び働き始めないといけません。

最近は、うつ病の復職プログラムなども少しずつ開発されてきています。

しかし、うつ病になると頭が回らなくなり、考えたり、集中したりする力が弱まるのですが、うつ病が良くなってからもしばらく頭が回らない状態が続くことがあるので、仕事をする際は注意が必要です。

こういった症状を、認知機能障害と言います。

認知症の症状と同じものですが、うつ病の場合の認知機能障害は認知症よりも軽いものです。

ただ、軽いといっても複雑な仕事をするには問題があるでしょう。

また、急に忙しく仕事をして強いストレスを感じると、うつ病が再発しやすくなります。

こうしたことに配慮するため、うつ病ガイドラインでは、

「①比較的短時間ごとに休憩をとる、②処理する事柄に優先順位をつける、③ メモや計画表を積極的につける」

といったことを推奨しています。

なお、集中できない、頭が回らないといった認知機能障害が、薬の副作用で出現することもあるので注意が必要です。

さて、次回はうつ病がある程度は良くなったけど、少しだけ症状が残ってしまうというケースについて説明していきます。

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