top of page

脳の形、大きさと自殺のリスク



双極性障害、別名、躁うつ病は、気分が落ち込むうつ状態と、気分がハイになる躁状態という二つの症状がでる病気です。

非常に情緒不安定となる精神疾患で、自殺をしてしまう人もいます。

精神疾患の原因には色々な要素があり、とても複雑なんですが、大まかに分けると、ストレスによるものか、脳の物理的な障害や遺伝的な要因などの生物学的要因によるものかに別れます。

双極性障害はストレスも影響するのですが、脳の生物学的要因が強い病気です。

別の言い方をすれば、脳科学的な要因と言えます。

今回は、この双極性障害の脳科学的な研究を紹介します。双極性障害と自殺の関係を、脳画像検査を用いたアプローチで解明しようとした、アメリカの研究です。

この研究では、10代から20代の若者が対象になっています。

双極性障害を持ち、自殺を試みた26人と、自殺を試みたことのない42人の脳を、MRIという画像検査の機械を用いて調べました。

MRIは脳の体積や、神経の走行などを調べることができます。

その結果、自殺を試みたことのある人は、そうでない人と比べ、脳の体積が少ない部分が見つかりました。

詳しくいうと、眼窩前頭皮質、海馬、小脳皮質などが小さかったそうです。

また、神経の走行、神経ネットワークの障害も見つかりました。

鉤状束、内側前頭葉、右小脳などの神経繊維や、前頭葉と扁桃体の繋がりなどが少なかったということです。

今回は若い人に限った研究ですが、このように自殺をする、しないは、脳の物理的な違いが関係しているようです。

こうした研究は他にもあるので、なんらかの物理的要因があるのは確かでしょう。

今後もさらに研究していけば、事前に自殺のリスクが計算できるようになるかもしれません。

そうすれば、どの患者さんに手厚いケアをしないといけないかが分かるはずです。

Comments


特集記事
最新記事
アーカイブ
タグから検索
まだタグはありません。
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page