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双極性障害の診断改訂を検証する研究をシェアします


双極性障害、別名、躁うつ病とは、気分が落ち込んで悲しくなる、うつ状態という症状と、気分がハイテンションになり活動的になる躁状態(躁病)という症状の両方が出てくる病気です。

この双極性障害の診断に関する研究を今回は紹介したいのですが、その前に、精神疾患の診断について簡単に説明します。

医学では診断をするための基準が用いられることがあり、そのまま診断基準と言います。

精神科における診断基準とは、例えば、(1)(2)(3)という三つの条件を設定し、この中から二つ以上が該当する場合は、診断基準を満たすものとする、といった感じです。

結構、デジタルというか、それこそプログラミングの条件式みたいに、かっちりと決められています。

しかし、心の状態は目に見えない曖昧なもので、しっかりとした検査もまだ無いので、こうした、かっちりとした基準がうまく使えない場合があります。

これが、精神科の診断基準の問題点ですね。

とは言っても、少しでも改善していこうと、時々、改訂されます。

最近では、アメリカの精神医学会が出版している、DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)という診断基準が、4から5へバージョンアップしました。

そして、双極性障害の診断基準も少し改訂されたのです。今回は、その改訂についての調査研究を紹介します。

先ほども書いたバージョンアップにより、双極性障害の躁状態(躁病)の診断基準に活動や活力の増大という記載が追加されました。

こうした診断基準の改訂により、今まで双極性障害と診断されなかった人が新たに双極性障害と診断されたり、逆に今まで双極性障害と診断されてた人が違う診断となるなどの変化が出ている可能性があります。

こうした変化を調べるため、4360人が調査されました。

この4360人は旧バージョンで双極性障害と診断された方です。

このうち、310人は旧バージョンの躁状態(躁病)に当たる症状が出ている状態でした。

これが新バージョンに変わったところ、この躁状態と診断された人は減ったとのことです。

基準が変わり、躁状態の基準を満たさなくなってしまったんですね。

しかし、長期的に見れば、双極性障害と診断される人の数は変わらなかったとのことです。

つまり、今回の診断基準の改訂で、短期的な変化はあったものの、長期的な変化は無いということですね。

個人的には、長期的な変化が無いなら改訂の意味が無い気もしますが、、

まだまだ精神疾患の診断基準は未成熟なので、少しずつ発展させていくしかないと思います。

いつかは、採血や画像検査などで診断できるようになると、もっと診断の精度が上がると思うのですが、もう少し先の話ですかね。

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