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双極性障害の入院回数を減らす薬の研究をシェアします


今回は、双極性障害について、スウェーデンの研究をご紹介します。

双極性障害とは、気分が落ち込んだり(うつ状態)、テンションが上がったり(躁状態)する病気です。

気分が強く落ち込むと、死にたくなったりすることがあります。

また、テンションが上がりすぎても、暴力的になったり、なんでも買ってしまい多額の財産を失ったりすることがあります。

つまり、どちらの状態も、過剰になると大きな問題が出てくるのです。

このように、あまりに強い症状が出た場合は、入院して治療することが必要になります。

しかし、誰だって入院はしたくないですし、病気が悪くなって欲しくもありません。

そこで、病気を悪くしないよう、入院なんてしなくて良いように、薬を使って治療します。

これは、病状が悪い時だけ薬を使うのではなくて、病状が安定してからも、再発を防ぐために薬を使う形になります。

なぜなら、双極性障害とは今現在の医学では完治させることはできず、薬を使わないと、すぐに再発してしまう病気だからです。

しかし、薬も万能というわけではありません。薬を使っていても残念ながら再発してしまう人もいます。

今回ご紹介する研究は、どの薬が再発を防げるのか調べています。

この研究では、2006年から2009年にかけて、35,022人の双極性障害の患者さんが調査されました。

双極性障害の治療に使われる薬はいくつもあります。

ここで調べられたのは、

リチウム(炭酸リチウム)、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリジン、クエチアピン、オランザピン

という6種類の薬剤です。

そして、こうした薬を使って治療していた患者さんが、どのくらいの回数、入院したかを調べました。

入院するということは、一回良くなった病状が再び悪化したという証拠ですから、病気の再発回数を調べることができるという理屈になります。

その結果、

リチウム、バルプロ酸、ラモトリジン、クエチアピン、オランザピン

の5種類は入院回数を減らす効果があったということです。

つまり、カルバマゼピンは入院回数を減らす効果がなかったようですね。

カルバマゼピンは躁状態という気分がハイテンションになった状態を改善する効果はあるんですが、再発を防ぐ効果は少ないのかもしれません。

そして、最も再発効果が高かったのは

リチウム

だったということです。

リチウムは昔から使われている薬なんですが、やはり効果はしっかりしていますね。

なお、繰り返しになりますが、今回は再発を防ぐ薬を調べた研究です。

双極性障害の症状である、うつ状態や躁状態を改善する薬を調べたわけではありません。

ちょっとややこしいんですが、双極性障害の再発を防ぐ薬、うつ状態を治す薬、躁状態を治す薬は、それぞれ微妙に違うことも知っておいてください。

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