デパス(エチゾラム)の依存について質問&回答
デパス(エチゾラム)やコンスタン(アルプラゾラム)などベンゾジアゼピン系の依存について、下記のようなお問い合わせがありました。最後に回答を記載します。
■公表の同意 記入した内容の公表に同意します。 ■年代を選択してください。 70代 ■性別を選択してください。 男性 ■子供時代について教えてください。
父親が転勤族で小学校で4回転校しました、厳しい父で夏休み冬休みの宿題も傍で煩く云われながらでした、友人はすぐ出来るほうでしたが母の告げ口で父には殴られてました。成績は中ぐらいでした、学校では平凡な生徒、友達は活発な子供が多かったです。 ■いつから、どんな症状があるのか、時間の流れに沿ってご記入ください。お酒、タバコ、カフェインの取りすぎがある方は、1日の摂取量も教えてください。また、きっかけとなる出来事やストレスがあれば、時間的な関係が分かるように記載して下さい。
20代後半がら酒量が多くタバコはヘビースモーカーでした今は15本です、コーヒーは飲めません、平成11年妻が乳癌、母がアルツハイマーに弟二人も次々亡くなりデパス、コンスタンを服用、医師にストレス不安を感じたら服用するよう指示されました、量は特段指示無しでした。安易に服用してましたが目眩立ち眩みで今掛かってる医師に朝1錠就寝前に1錠服用を指示され、飲酒の時は朝、就寝時も服用を禁止されてます。 ■現在の生活、職場環境や人間関係について教えてください。
家族に全員先立たれ現在一人暮らし、末弟の妻、甥、姪とは事情があり絶縁関係です。78歳ですが現役で不動産の仕事を自営、不景気ですが人間関係は良好、手持ちの現金でいつまで保つか不安といえば不安です、何とか方法は考えてます。出来るだけ無駄をせずに堅実にと思いやってます。 ■もし、現在治療中の身体の病気・ケガや、過去に治療した身体の病気・ケガがあれば教えてください。
前立腺肥大治療中、ヘルペス後肋間神経痛治療中、デパス、コンスタンとバッテイングする薬があると聞きましたので現在全て薬は止めてます。 ■もし、家族や親戚に精神疾患や認知症の方がいれば、その方の続柄と病名を教えて下さい。
母がアルツハイマーで亡くなりました、父は脳梗塞、すぐ下の弟は肝硬変、末弟は心筋梗塞で亡くなりました。 ■最後に、何か聞きたいことや相談したいことがあれば、ご記入ください。
デパスと縁を切って普通の生活に戻る事が唯一の希望です、良きアドバイスを切望致します。
<回答>
デパスはエチゾラムという成分の薬で、正確にはチエノジアゼピン系に分類される抗不安薬ですが、概ねベンゾジアゼピン系抗不安薬と考えて大丈夫です。コンスタンはアルプラゾラムという成分で、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬です。つまり、概ね似た薬ですから、本来はどちらか一種類を使うだけで十分です。
お問い合わせ頂いたケースのように、医師から特に指示や説明がなくベンゾジアゼピン系の薬剤を処方されている人は、まだまだ沢山いますね。ベンゾジアゼピン系はめまい、ふらつきなどの他、物忘れ、集中力低下などの認知機能障害といった副作用もあり、特に高齢になると副作用が出やすいため注意が必要です。この方は70代とのことで、副作用は出やすいと考えて良いでしょう。
ベンゾジアゼピンは、ずっと使っていると依存性が出てくるので、なかなか減らすことができません。それに、今回のケースでは、アルコールやタバコなどへの依存傾向もあるようですから、元々、薬物系に依存しやすいのだと思います。このため、ベンゾジアゼピンにも依存しやすいのだと思われます。
ただし、ベンゾジアゼピンはアルコールやタバコに比べれば体への有害性は低いです。アルコールもタバコも、内臓を痛めたり、ガンのリスクが高まったりしますが、ベンゾジアゼピンではそのようなことはありません。また、アルコールやタバコも色々な薬とバッティングします。つまり、ベンゾジアゼピンをやめるより先に、アルコールやタバコをやめた方が、体には優しいです。ここは大事な点なので、知っておいた方が良いと思います。逆に、ベンゾジアゼピンを減らした結果、アルコールやタバコが増えてしまうのであれば、体への負担は増えてしまいます。アルコールやタバコに依存するくらいなら、ベンゾジアゼピンに依存している方が、多少はましかもしれません(もちろん量にもよりますが)。
現在は医師の指示があり、「朝1錠就寝前に1錠服用を指示され、飲酒の時は朝、就寝時も服用を禁止されてます」とのことです。添付文書では高齢者には1日で合計して1.5mgまでという基準が記載されています。デパスは0.25mg, 0.5mg, 1mgなどの規格がありますので、錠数だけだと何mg使用しているか分かりませんが、例えば、朝に0.5mgを1錠、就寝前に0.5mgを1錠内服するのであれば、合計1mgであり基準内になります。まずは、これを目安に減らしてみると良いと思います。デパスを使うのであれば、コンスタンは中止しておきましょう。
ベンゾジアゼピンは、作用時間が長いものの方が減らしやすいという特徴があります。デパスやコンスタンよりも作用時間の長いタイプのベンゾジアゼピンには、例えば、ジアゼパム(セルシン)やロフラゼペイト(メイラックス)などがあります。こうした作用時間の長いベンゾジアゼピンに置き換えてから少しずつ減らす方が、減らしやすいはずです。置き換える時に何mgにすれば良いかは、換算式があるので、それを利用して計算します。自動的に計算してくれるサイトがありますので、下記にアドレスを記載しておきます。
また、薬を減らすためには、薬がなくても精神的に安定することが大事ですので、いかに普段からストレスを発散するか、不安にならないようにするかが大事になってきます。趣味や適度な運動などは大事にされると良いでしょうし、音楽を聞いたり、読書したりといったリラックスできるものも大切にした方が良いと思います。
また、現在一人暮らしとのことですが、孤独を感じると依存傾向が強まる人が多いので、人間関係も大事です。幸いなことに人間関係は良好とのことですが、一人の時間が多いのであれば、誰かと一緒にいる時間を意識的に増やしても良いと思います。
ベンゾジアゼピン系の薬剤に依存した場合の対処法については、過去にこちらで記載していますので、ご参照ください。
Comments