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うつ病ガイドライン徹底解説6 検査



うつ病ガイドライン徹底解説

今回はうつ病の診察で必要な検査について解説します。

この「施行すべき検査」は4つの項目に分かれます。

順番に「血液・尿検査」「生理学的検査」「画像検査」「心理検査」となってます。ここでも、この順に解説します。

まずは血液検査ですが、残念ながら、うつ病を診断する血液検査というものは、まだありません。もしかすると、今後、開発されるかもしれませんが、まだないのが現状です。

では、なぜ血液検査するかというと、身体の病気やホルモンの異常などで、うつ病に似た症状が出ることがあるからです。

こうした病気を見逃さないために、血液検査をするわけですね。

また、うつ病のため体の具合が悪くなる場合があったり、肝臓や腎臓が悪いと量を減らさないといけない薬があったりもするので、血液検査で確認しておくことが大事になってきます。

このあたりは、うつ病ガイドライン徹底解説1の方でも説明したと思います。

血液検査の項目としては、「血算 白血球分画 AST ALT γGTP CPK AMY 総蛋白 ALB TG 総 chol HDL-C BUN CRE Na K Cl 血糖 TSH FT4」といった項目が並んでいます。

それぞれ解説はしませんが、これだけ検査すれば、貧血や、肝臓、腎臓の異常だったり、 甲状腺のホルモン異常、栄養状態などが大体わかります。

また、ガイドラインでは尿検査も推奨されていますが、尿検査では糖尿病なんかが分かったりしますね。

続いて、生理学的検査ですが、これは主に心電図のことです。

三環系抗うつ薬といううつ病の薬などで心電図の異常が出ることがありますので、使っている人は心電図の検査を行って確認が必要になります。

また、心臓の周りに電極をつける検査が心電図ですが、頭の周りに電極をつける脳波検査というものもあります。

これは、脳が発する微弱な電気である脳波を測定するものです。

てんかん、脳症などの病気を評価、診断する時に使います。

うつ病だけで脳波検査をすることはありませんが、こうした別の病気がうつ病に関連している場合は、うつ病でも脳波検査をすることがあります。

次に、画像検査の説明をします。

これは、脳のCTやMRIなどの検査のことです。

脳梗塞や脳腫瘍といった病気はうつ病の原因になることがあります。

また、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などもうつ病の原因になることがあります。

こうした脳の病気を診断するために、脳の画像検査が必要になります。

こうして、しっかりとうつ病の原因を評価することが大事なんですね。

最後に、心理検査です。

心理検査というと、性格テストなんかを思い浮かべる人が多いと思います。

もちろん、そういうものもありますが、うつ病の心理検査は、うつ病の診断を助けるものや、うつ病の重症度の評価をするものが一般的に行われます。

また、うつ病になると、知能や認知機能(記憶したり考えたりする能力のこと)といった脳の働きが低下します。

こうして脳の機能が低下してしまうと、仕事ができなくなったりと生活に困ったことが起きてきます。

こうした状態が起こっていないか確認するため、知能検査、認知機能検査を行うことがありますが、こうした検査も心理検査の一種になります。

とまあ、こんな感じで、うつ病でも結構色々な検査をする必要があるんだなと分かってもらえたと思います。

もちろん、全員に全ての検査を行うわけではなく、必要に応じて選んでいく形が一般的です。

さて、次は、うつ病の診察の時にもっとも注意すべき点である、自殺や自傷行為について説明します。

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